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川崎市多摩川河川敷 上村遼太君殺害事件 19歳少年の裁判を考察

『川崎市多摩川河川敷 上村遼太君殺害事件』

日本中に衝撃を与えた事件の発生から、
もうすぐ一年が経過しようとしています。

この事件が注目を集めた理由としては、

  • 犯行の残虐性
  • 逮捕前からSNSにより加害者が
    特定されていた
  • 加害者グループ3人がいずれも未成年
  • リーダー格の19歳少年の
    実名と顔写真が拡散された
  • 週刊新潮がリーダー格の19歳少年の
    実名と顔写真を掲載した(2015年3月5日発売号)

などが挙げられると思います。

その中でも私にとって特に印象に残ったのは、
『SNSの拡散力』
『リーダー格の19歳少年の実名と顔写真』
でした。

改めて今の世の中の、
インターネットの力と恐ろしさ
思い知らされた気がします。

この事件で殺害と傷害の罪に問われた
リーダー格の19歳少年裁判員裁判
2月2日~4日横浜地裁で行われました。

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事件の概要

事件についてはもう既に
多数のメディアで報道されているので、
ここでは概要について説明します。

事件が発覚したのは2015年2月20日
午前6時15分ごろ。
神奈川県川崎市の多摩川河川敷で
通行人が男性の遺体を発見したことから
はじまりました。

遺体となって発見されたのは
中学1年生の
上村遼太(うえむら りょうた)君、当時13歳。
遺体は全裸の状態で、
首の後ろから横にかけて無数の切り傷があり、
顔や腕にも切り傷が見られました。

その後の調べで死因は
首を切られたことによる出血性ショック
であったことが判明。

その後2月27日
上村さんの知人であった少年3人
(当時18歳及び17歳の少年2人)が
殺人容疑逮捕されました。

主犯格の少年は2月27日午前11時ごろ
母親と弁護士と共に出頭
17歳の少年1人は午後0時30分ごろに
自宅で逮捕され、
もう一人の17歳の少年は
警察に任意同行され、
午後1時30分ごろに川崎署内で
逮捕されています。

逮捕につながったのは
遺体発見現場付近に設置された
防犯カメラの映像『LINE』
通話記録が状況証拠となりましたが、
実は当時、少年らの逮捕前から
上村君の知人らが犯人らの顔画像
『Twitter』を使って拡散していました。

さらにそれらは
インターネット上で瞬く間に拡散され、
犯人特定、逮捕前に
既に大きな騒ぎとなっていました。

事件が起こった経緯

上村君と少年3人は俗に言う
『遊び仲間』という関係にありました。

しかしいかに『遊び仲間』と言えど
人間同士の付き合いには
トラブルが付き物です。

事の発端は今現在、
『日吉事件』と呼ばれている
2015年1月17日に起きた
傷害事件からはじまっています。
これはこの日、待ち合わせ場所だった
横浜市の日吉駅に、
上村君が約1時間遅れてきたことに対し
主犯格の少年が腹を立て、
暴行を加えたというものです。

しかしこれが引き金となってしまいます。
上村君は暴行を受けたことを
別のグループに話してしまい、
さらに主犯格少年のLINEアカウントまで
教えてしまったのです。
その上その後、このグループが、
主犯格少年が上村君に謝罪することを求め
自宅へ押しかけるといった
騒動も起こりました。

これが事件を引き起こした
きっかけとなってしまったのです。

この件の報復として、
上村君は多摩川河川敷へ
呼び出されたのです。

裁判員裁判

2月2日から始まった裁判員裁判で、
幾つか気になる点について
考えていきたいと思います。

また、被告人質問の詳細な内容に関しては、
読むに堪えがたい内容も含まれていたため
当ブログでの掲載は
控えさせて頂きたいと思います。

どうしても知りたい方は、
以下のリンクから参照してください。

一連の裁判員裁判の中で
私が気になったのは、
被告人弁護側の
『殺意は突発的に生じた』
『予期しない偶然が重なった』
という説明と、
被告人少年の
『死刑を覚悟している』
という言葉。

世の中は偶然で溢れている

確かに事件当時の状況として
最初は暴行を加えることが目的であり、
殺害目的でなかったというのは
当事者が主張している限り
変えようのない事実であると思います。

しかし執拗に暴行を加えたことや
真冬の川で泳がせたこと。
さらに少年の一人が
カッターナイフを持っていたことは
果たして『偶然』と呼べるのでしょうか?

また、このような行為に及べば、
死に至る可能性が高いことは
誰にでも容易に想像できることです。

これらを全て『偶然』という言葉で
説明してしまえば、
この世には『必然』はなくなり、
『偶然』で溢れかえっていることに
なるでしょう。

『死刑を覚悟している』の信憑性

19歳の少年は被告人質問の中で、
弁護士と以下のような
やり取りをしていました。

弁護士「自分はどのくらいの刑になると思っている?」

被告「まだわかりません」

弁護士「(人を殺せば)死刑になることもあるとわかっている?」

被告「はい」

弁護士「罪を背負って生きていくんですね?」

被告「はい」

弁護士「死刑になることはないだろうと思っていないか?」

被告「それはないです。それぐらいの覚悟はあります」

弁護士「軽く言うことではないのではないか」

被告「1年を過ごして、それくらいの覚悟をしています」

弁護士「以上です」

この中でやはり考えてしまうのは、
少年がどれだけの覚悟をもって

「それぐらいの覚悟はあります」
「それくらいの覚悟をしています」

という言葉を口にしたのか?

恐らく弁護人もそれを感じたが故に
「軽く言うことではないのではないか」
という言葉を返したのでは?と思われます。

そしてもう一つ、
少年の言葉を鵜呑みにできない
理由があるのです。

19歳少年の補導歴

それはこの少年が
2014年に2度家裁送致されており、
2011年からの4年間の間
13回の報道歴があったからなのです。

2014年の家裁送致は
占有離脱物横領罪傷害罪

傷害罪については2014年6月
友人とバイクに2人乗り(後ろに乗っていた)
していた際、
見ず知らずの通行人を一方的に背後から
鉄パイプで殴ったというものです。

これにより少年は2016年12月までの
保護観察処分を受けており、
上村君が殺害された日の10日前にも
1人で保護観察士のもとを
訪れていたといいます。

また、この傷害事件の際、
少年が飲酒の上、犯行を犯していたことから
家裁は少年に対し保護観察期間の間の
特別遵守事項として、
『飲酒しないこと』などを科していました。

にも関わらず、
少年は飲酒をした上で上村君を殺害

犯罪に犯罪を繰り返し、
それは次第にエスカレート。
そしてついに『殺人』という
重大な罪を犯すに至っていたのです。

事件を考察

検察は
『少年事件の中でも特に残虐性が強く悪質』
として、
少年法が規定する不定期刑では最長
『懲役10年~15年』を求刑しました。

しかし上村さんの両親、
および弁護士が望んでいたのは
『無期懲役』であり、
本来は『極刑』
希望する気持ちもあったようです。

この求刑が妥当であるのか否かは
個人で判断できる領域を超えていますが、
この事件で忘れてはならない事実は
『上村君も不良グループの一員であった』
という事実。

髪の毛を染め、学校へも行かず、
不良グループと遊び歩いていた。

これも紛れもない事実なのです。

もちろん『殺人』は重大な罪であり、
これを肯定するつもりはありませんが、
このような状況も
悲劇を起こしてしまった要因の一つ
になるのでは?
そう感じてしまうのです。

少年の求刑に対する判決は
2月10日に言い渡されます。

19歳少年に下された判決

2月10日、横浜地裁は
殺人と傷害の罪に問われた
19歳の少年に対し、
以下のような判決を言い渡しました。

『懲役9年以上13年以下の不定期刑』

求刑懲役10年以上15年以下の
不定期刑でした。

犯行の残虐性や主導者としての責任、
さらに動機については
自己中心的短絡的であると指摘。

その一方で、
19歳少年が共感性を欠くことや
問題解決力の弱さ
暴力を容認する未熟さ
両親による生育環境(体罰)
大きな影響を与えているとして、
少年法が定める不定期刑の上限、
15年は選択されませんでした。

最後に

今回の判決が下されたことにより、
19歳の少年は9年~13年
一般社会とは隔離された環境の中で
生きていくことになります。

そしてその中での生活で
彼がどのように更生できるのか?
今の段階で知る余地がないのは
言うまでもありません。

しかし一つだけはっきりと
分かっていることがあります。

それは近い将来彼が
再びこの世に出てくるということです。

今回の判決内容が
妥当であったのか、否かは、
その時になって
はじめてわかることなのです。

遺族の方々にとっては
受け入れられない現実なのかもしれませんが、
上村遼太君に対するせめてもの手向けは、
彼が更生して、その罪を償いながら
生きていくことなのでしょう。

刑の確定

19歳の少年に下された判決は、
検察、弁護側とも
期限の24日までに控訴しなかったため、
懲役9~13年の不定期刑とした
横浜地裁判決が25日、確定しました。

(2月25日追記)

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